『水彩で光あふれる九州・沖縄』　九州・沖縄編

九州以外の読者は「九州」といえば、どんなイメージをお持ちだろうか。熊本県の阿蘇山、鹿児島の桜島などの九州を代表する活火山から「火の国」、あるいは九州男児、薩摩隼人という形容から何か雄々しい男性的なイメージを持たれることがおおいのではないだろうか。気質はともかく、当然そういう景観もこの地のひとつの特徴だが、個人的には九州の高原地帯の美しさも強調しておきたい。もちろんそれも、太古から続いたこの地の火山活動の結果生まれた高原地帯であるのは言うまでもない。（中略）どこであろうと、感性の優れた画家の、情感というフィルターを通したとき、何気ない風景でも、ときめくような光彩を放つものだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（「『光あふれる九州・沖縄』発刊に寄せて」〈福岡県在住　画家　ならざき清春〉より抜粋」）